手首の背屈不能 指の伸展不能
鶴ヶ島市30代男性。サラリーマン。
【原因】
仕事から帰宅のため、電車乗車中に寝てしまい、座席端の鉄パイプに
右腕をかけ、その上に顔をのせて寝てしましました。(30分位)
左右上の写真のように、手首と指を上げたり、ピンと伸ばしたりすることが
できません。
橈骨神経麻痺です。
橈骨神経は、腋下から上腕後外側を通り、肘関節の前面を走行します。
橈骨神経麻痺は、上腕部で骨折(上腕骨幹部骨折、上腕骨顆上骨折など)や
長時間の圧迫があると、手首と指が垂れ下がる下垂手(drop hand)の症状を
呈します。
また、肘付近での麻痺は、後骨間神経麻痺と言い、腫瘤(ガングリオンなど)、
腫瘍、骨折(monteggia 骨折など)、神経炎、肘の使い過ぎによる
オーバーユース、長時間の圧迫などにより、手首は挙げられますが、
指がピンと伸ばすことが出来ない下垂指(drop finger)の症状を呈します。
橈骨神経麻痺は、週末に彼が彼女に腕枕をして寝てしまって受傷することから
「サタデーナイトシンドローム」などと呼ばれていましたが、最近はあまり
耳にしなくなりました。(余談ですが)
【施術】
麻痺は一過性ですが、神経の回復に2,3ヶ月かかる場合があります。
この患者さんは、パソコンを使用するデスクワークが仕事で、マウスがうまく
握ることが出来ないので、手首を支えるサポーターを装着しました。
握力が極端に減弱する為、仕事の効率が落ちてしまい、「非常にイライラする」
とおっしゃっていますが、この麻痺について職場の方に理解協力して頂くことが
必要だと思います。(職場の方には、冗談でわざとやっているのではと
疑われたそうですが、決してそうではありません)
当院では、早期に回復を促す理学療法を実施しております。
【経過】
1ヶ月経過後、手首の背屈可動域は9割、握力は75%回復しております。
鶴ヶ島市 ふじみ接骨院