初診時受傷部 肘関節外側 超音波長軸像
川越市4才の女の子。 保育園児。
【原因】
自宅で布団の上で遊んでいた所、転んでしまいました。両親は受傷したところを
見ていなかったが、女の子によると右腕をついて痛めてしまいました。
当接骨院へ来院された時は、右腕を動かすことが出来ませんでした。
(左上写真)触診では、肘の外側と前腕屈筋に圧痛がありました。
指も握ることが出来ませんでした。
腫れや熱感はありませんでしたが、肘内障と判断し整復を実施、整復音
(クリック)を触知しました。
肘内障とは、2才から5才位までの幼児に多く発生し、手を不意に引っ張られた
時や手の平を下にして転んだ時に橈骨頭が輪状靭帯から外れる(右上画像
矢印)、または回外筋が腕橈関節に陥入してしまいます。(右上画像 矢頭)
しかし、整復後は痛みと動かす恐怖(?)で腕を動かしてくれません。通常、
肘の脱臼が整復されると、万歳(拳上)やバイバイ(回内回外)が出来ます。
女の子は、脱臼と同時に回外筋も痛めてしまいました。右上画像の丸内に
回外筋筋膜損傷(部分断裂)と炎症反応の様子が認められました。
翌日は、肘の屈伸は恐る恐るできましたが手の関節が痛いと訴えました。
超音波観察では、特に問題なかったのですが手と肘を固定して、その日は
保育園に行ってもらいました。
土日をはさみ、月曜日。恐る恐る万歳やバイバイも可能となり、通院も終了
となりました。
幼児の脱臼(肘内障)は、受傷時に輪状靭帯や回外筋などを損傷することが
あり、その場合は1週間程度、痛みが残ります。
また、小さな子供は、痛みや不調をうまく説明できないことが多いため、骨の
成長線の損傷(骨端線離解)や骨折にも配慮しながら診察を実施することが
必要となります。
鶴ヶ島市 ふじみ接骨院