右股関節前面 超音波長軸像 左同部 正常(健)側
川越市小学6年生男児。 股関節の痛み、 下前腸骨棘裂離(剥離)骨折。
【原因】
2週間前にサッカーをしていて、ボールを蹴った瞬間に右足の付け根(股関節の前面)に強い痛みを感じました。
シップを貼って様子を診ていましたが痛みが引かず、当接骨院に来院されました。
ももを上げたり回したりする動作では痛みはあまり酷くなく、股関節前面の骨の突起(下前腸骨棘)を押すと
強く痛みました。
超音波観察を行ったところ、右下前腸骨棘の軟骨の一部が剥がれている様子が認められました。
(左上画像の丸の囲み。)小学生から高校生の骨盤骨は成長過程にあって、下前腸骨棘という骨の先端は
成長軟骨で骨盤とつながっています。
この突起には大腿四頭筋(もも前面の筋肉)が付着していて、ダッシュやジャンプ、キックなどの動作で強い牽引力が
働き、この様な裂離(剥離)骨折を引き起こす事がよくあります。付添いの男児のお父さんは「まさか骨折しているとは
思わなかった。」と仰っていました。
【施術】
受傷後、数日はアイシングをして内出血や痛みを和らげます。その後、裂離した軟骨が硬くなる2~4週間は安静を保ち
運動は中止します。
無理をすると剥がれた軟骨が硬く骨化せず、痛みが長期間取れなくなってしまいます。過去には痛みが取れず、
部活を辞めてしまったり、レギュラーに復帰できなかった患者さんを多く診てきました。
男児は受傷後に適切な処置をされなかったため、2週間後も痛みが取れませんでした。通院後は、剥がれた軟骨の
骨化を促進させる物理療法と股関節から足の筋肉の緊張を和らげる理学療法を実施していきます。
鶴ヶ島市 ふじみ接骨院