右肘内側 超音波長軸像 左同部正常(健)側
坂戸市小学5年生男児、 少年野球クラブピッチャー。 肘の痛み、右肘内側上顆裂離骨折。
【原因】
2日前、野球の練習試合に4回まで投げたところで、右肘に痛みが走りピッチャーを交代しました。翌日の練習でも
痛みが引かず、当接骨院を受診されました。
右肘の内側上顆に圧痛、熱感、屈曲時痛、外転外旋(投球動作)時痛が著明でした。超音波観察において、
内側側副靭帯付着部(左右上画像黄色の囲み)の内側上顆前下部に、骨が裂離(剥離)している様子が
認められました(左上画像の丸内矢印)。肘外側には損傷はありませんでした。
小学生の内側野球肘は約4割に起こると言われ、特に小児の場合は成長期であるため、靭帯付着部が軟骨で
剥がれやすい特徴があります。成人になり骨の成長が終了すると、靭帯実質の損傷が多くなります。
【施術】
右上画像と比較して内側側副靭帯が腫れている様子が認められましたので、2,3日は家庭でもしっかりとアイシングし、
肘の安静を保つため、包帯三角筋で固定します。
投球は約4週間程中止し、2週間ごとに超音波で経過観察します。投球再開は、患部の状態を確認しながらコーチに
練習メニューを計画してもらいます。
投球できない期間は、投球に影響のある全身の筋や関節の硬さを柔軟にし、かたや肘の負担を軽減させる理学療法を
行っていきます。
小学生の投手は投球フォームも大切ですが、定期的に体の状態を確認、把握することも大切です。膝や股関節、
体幹の硬さがあるとスムーズな体の回旋にブレーキをかけることになり、腕に余計な力みが生じて肩やひじを
痛めやすくなります。
【参考】
小学生の投球制限については、(公)全日本軟式野球連盟のHPをご参照ください。
http://jsbb.or.jp/
鶴ヶ島市 ふじみ接骨院