右上前腸骨棘 超音波短軸像 左同部健(正常)側
川越市中学1年生男子、サッカー部。 こしぼね前面の痛み、上前腸骨棘裂離(剥離)損傷。
【原因】
サッカー部の練習中、ダッシュを繰り返していて腰骨の前面に強い痛みを感じました。1週間くらいすると歩行時の
痛みは軽減しましたが、階段の上り下りでは特に下りで痛みが強く出ました。受傷から10日後に当接骨院へ来院
されました。
こしぼねの前面(上前腸骨棘)を押さえると強く痛みました。こかんせつに体重をかけて曲げると同様に痛みが
ありました。超音波観察を行ったところ、左健(正常)側と比べて丸い骨の形が矢印のようにボコボコしてもやが
懸ったように描出されました。また、赤線で囲った箇所は内出血や浮腫で腫れている様子も認められました。
上前腸骨棘には縫工筋や大腿筋膜張筋が付着していて、ももを曲げたり外に開いたり(外転)するなどの作用が
あります。小学生高学年から中学生は体の成長期で、筋肉は力強く発達していきますが筋の付着部はまだ軟らかい
軟骨状態であるので、筋肉の強い収縮が繰り返されると筋の付着部(ここでは上前腸骨棘)がはがれてしまいます。
【施術】
軽いジョギングでも痛みがあるため、ランニングを1ヶ月程中止します。安静が保持されると、右上の画像のように
骨のまるい出っ張りが連続した白い1本の線として描出されます。
そのように1本の線になると剥がれた軟骨が骨化したと確認でき、ランニング開始の客観的判断を行う事ができます。
はがれた軟骨が骨化するまでは、ももやこかんせつ、腰部の筋肉の緊張を緩和させる理学療法を行います。
また、自宅やサッカー部活動の時間に簡単にできるストレッチや体幹(コア)トレーニングの方法も指導しました。
2週間後に患部超音波観察の予定です。
鶴ヶ島市 ふじみ接骨院 ℡049-271-3570
アクセス
http://www.223sekkotsu.com/access/